にょほほ電鉄−車両−上信電鉄
上信電鉄は群馬県の高崎より、蒟蒻や葱で有名な下仁田へと至
る路線。元々は信州への路線を計画していた経緯があり、会社
名からもその壮大な計画が伺える。会社設立は1895年で現
存する地方私鉄の中では伊予鉄道に次いで古い。車両は主に西
武やJRからの譲渡車両で成り立つが、一部の自社発注車両は
地方私鉄とは思えないほどの洗練されたデザインとなる。
駅名標 上信電鉄
駅名標は、非常にシンプルなデザインで、過去の西武の駅名標
と相通じるものがある。しかも書体も同じなのは偶然の一致だ
ろうか。なお高崎駅や佐野のわたし駅など一部駅は独自デザイ
ンとなる。

和文書体:ナール
欧文書体:ナール

注意喚起用ドアステッカーは、過去の西武のステッカーに酷似
したデザインとなるが、手の部分は赤色となる(西武のものは
黄色)また700形は譲受元のJRのステッカーも残される。





■700形(2019年)

150形や200形の老朽化に伴う置換えのため登場した車両。JR東日本107系を譲受し導入した。導入にあたりワンマン化改造や前面排障器の大型化が行われた。塗装は編成毎に異なり

第1編成は「桃源堂」広告塗装
第2編成は「下仁田ジオパーク」広告塗装
第3編成は「群馬サファリパーク」広告塗装
第4編成はJR東日本高崎支社時代の塗装を復刻
第5編成は過去の上信電鉄の標準塗装であるコーラルレッド

となる。2019年3月に営業運転を開始した。

※第1編成初代塗装は「懐かしの車両」へ。
■7000形(2013年)

上信電鉄沿線にある「富岡製糸場」は2014年に世界遺産に登録されたが、その2年前に支援の一環で導入されたのが当車両である。31年ぶりの自社発注車両である。制御装置は上信初のVVVFインバータ制御。また旅情喚起のため室内はボックスシートとなる。塗装は、公募により富岡製糸場を模したラッピングが施されている。

■500形(2005年)

非冷房車である200・300形の老朽化に伴い導入した車両。西武101系を改造のうえ導入した。登場当初はアイボリー地に第1編成が緑色の、第2編成が赤色のストライプが配されたが、現在は第1編成が西武時代の塗装を、第2編成は「マンナンライフ」の広告塗装が施される。
■6000形(1981年)

上信電鉄初の冷房車。1000形と同様の車体ながら前照灯と尾灯は下部に並べて設置された。車内は一部にボックスシートを配置しロングシートと千鳥式に配置された。そのため窓配置が左右で異なる独特の外観となる。登場当初はアイボリー地にブルーとオレンジのストライプであったが、現在は群馬日野自動車の広告塗装となる。

■250形(1981年)

6000形と共に登場した車両。2両編成の6000形に対し、単行運転や増結を目的とした両運転台車となる。ただし現在は専ら他車両との連結で走る事が多い。登場当初の塗装は、アイボリー地にオレンジとブラウンのストライプ。その後塗装は紆余曲折し現在は251号が再び登場時の塗装に、252号はブルーとアイボリーの2色塗装となる。
■1000形(1976年)

輸送力増強のため登場した車両。コントローラーとブレーキを一体構造とした「ワンハンドルマスコン」や電気ブレーキなど様々な最新技術を搭載した。登場時の塗装はアイボリー地にイエローのストライプという、当時としては斬新な塗装が採用された。地方私鉄にこの様な斬新な車両が登場した意義は大きく、翌年に「ローレル賞」を受賞した。なお現在は休車となる。

■700形(初代塗装:2019年〜2022年)

上信電鉄の主力車両である700形であるが、登場当時の塗装は上半分がアイボリー、下半分がグリーンのオリジナル塗装であった。2021年に、1000形が踏切事故により長期休車となったため1000形に塗られていた「桃源堂」の広告塗装を701編成に移設した。そのため初代塗装は消滅している。
■150形(1992年〜2019年)

100形を淘汰するため投入した車両。西武より車両を譲渡のうえ使用するが第1編成は西武401系が種車となり前面は切妻形状。対して第2編成以降は西武701系・801系が種車で丸みを帯びた前面となる。第2編成は「群馬サファリパーク」の広告塗装で車体全体にホワイトタイガーの柄が施され注目を浴びた。老朽化により2019年9月をもって引退した。

■150形・第1編成(1992年〜2018年)

西武401系を譲受のうえ使用された当編成は150形の他車両とは異なり前面切妻の形状であった。
1996年にはワンマン運転に伴う対応改造が施された。登場当初の車体塗装はコーラルレッドであったが1999年には「マンナンライフ」の広告車となり、その後は何度か塗替えられ、晩年にはアイボリー地に緑のライン塗装となった。2018年5月をもって引退した。