にょほほ電鉄 - 街 - 首都高速八重洲出口
八重洲出入口は、首都高速八重洲線にある出入口。「東京駅八重洲
パーキング」と直結しており、東京駅や周辺一帯の利用者が首都高
から公道に出る事なく駐車場へとアクセスできる。ただ裏を返せば
東京駅八重洲パーキング利用者以外は降りることができず、公道に
も直接出られない、珍しい出入口となる。さらに同乗者の送迎を目
的とした降車専用設備という、高速道路では極めて珍しい設備も併
設される。この項では他に例を見ない高速道路出入口を紹介する。

■首都高速八重洲線(北行き)

八重洲出入口を利用するには、北行きはKK線土橋入口以遠、南行
きはC1霞が関入口および5号線西神田入口以遠から利用する事と
なる。画像は八重洲線北行きの西銀座ジャンクション付近。西銀座
を通過すると、すぐに八重洲トンネルに差し掛かる。
※画像は助手席より撮影。
■八重洲出口への分岐

八重洲トンネルに入ると、程なく八重洲出口との分岐が現れる。し
かし他の出口にはあるような、大型の出口案内板はどこにも見当た
らず「八重洲西駐車場」と書かれた小さな案内板があるのみ。また
路面にも「↑駐車場」とのみ書かれている。
※画像は助手席より撮影。
■八重洲出口へのアプローチ

分岐を進むと、若干の上り坂の先に「八重洲西駐車場(有料)」と
「八重洲乗客降り口」の案内板が並ぶ。ここでも出口の案内が一切
書かれていないが、八重洲西駐車場こそが「八重洲出口」を指す。
画像左側が八重洲出口。右側の八重洲乗客降り口もちと気になるが
まずは左折して八重洲出口へと向かう。
※八重洲乗客降り口は後述。
※画像は助手席より撮影。
■八重洲出口(東京駅八重洲パーキング)

左折すると、すぐに遮断機に阻まれる。遮断機をくぐると東京駅八
重洲パーキングとなる。
■東京駅八重洲パーキング(西駐車場)

東京駅八重洲パーキングは、東京駅八重洲口の公共駐車場整備の一
環として1965年に開業した。東京駅八重洲口の直下にあり、八
重洲地下街を介して東京駅に行くことができる。首都高速八重洲線
を挟んで西駐車場(235台収容)と東駐車場(ヤンマー東京ビル
駐車場と併せて281台収容)に分かれ、双方の行き来はできない。
画像は西駐車場。駐車場内にもかかわらず「首都高速情報」の電光
板が設置される。画像中央、タクシーが右折している付近に、首都
高速八重洲入口がある。
■八重洲入口(北行き・神田橋方面)

上記の画像の近影。画像左側は地上への駐車場出口、右側が首都高
速八重洲入口。高速料金と共に駐車場料金も精算するため、ETC
搭載車でも一時停止する必要がある。
■東京駅八重洲パーキング(東駐車場)

東京駅八重洲口の直下にある西駐車場に対し、京橋側に立地するの
が東駐車場。首都高速に対し垂直に伸びる駐車場であるため、首都
高速入口は90度の急カーブの先にある。
■八重洲入口(南行き・汐留方面)

上記の画像のカーブの先には、首都高速八重洲入口があるが、その
手前に分岐が確認できる。分岐の先にはヤンマー東京ビルの駐車場
が立地する。東駐車場はヤンマー東京ビル内駐車場を含めて281
台の駐車が可能であるが、現在は八重洲地区の再開発の一環でヤン
マー東京ビル直下の部分は閉鎖されている。

■再び八重洲出口へのアプローチ

首都高速八重洲線に戻る。今度は八重洲出口に入らず右側を進む。
※画像は助手席より撮影。
■八重洲乗客降り口(北行き)

直進した先には、高速道路内にもかかわらず、歩道のような場所が
現れる。ここが八重洲乗客降り口である。車の同乗者が東京駅等を
利用する際に、首都高速を流出する事なく、同乗者を降車させる事
ができる施設である。人のみが流出できる施設は、首都高速ではこ
こだけであり、全国的に見ても、高速バス停留所を除けは極めて珍
しい施設と言える。
※画像はガードレール内より撮影。車路へは立入っておりません。
■八重洲乗客降り口(北行き)

八重洲乗客降り口のプラットホーム。構内は非常に狭く暗い。首都
高速は歩行者の立入りが禁止されている事から、ここからの乗車は
出来ず、降車のみの施設となる。また、降車した際は速やかに退出
するよう促す旨の案内板が掲示される。画像奥側および背後側には
退出用の出口扉が設けられる。
■八重洲地下街への出口

上記画像奥側を近影。前述のとおり、首都高速への歩行者の立入り
は禁止されているため、扉の裏側からは開けられない構造となって
いる。また八重洲乗客降り口から一度退出すると、自動的に施錠さ
れてしまう。そのため扉には「戻れません!ご注意ください」との
注意文が掲示される。
■八重洲地下街への階段

扉を開けると急な階段が現れる。階段を上ると、八重洲地下街へと
至るが、薄暗く狭い階段は、およそ公共施設のものとは思えず、果
たして辿り着けるのか、不安を覚える。北行き、南行きのいずれの
出口も地下街へは階段でのアプローチで、バリアフリーとは無縁。
※矢印を画像にかざすと、階段を見下ろした画像へ。
■八重洲地下街

階段を上った先、重い扉を開けると、突如華やかな空間に放り出さ
れる。八重洲地下街は、売場面積が都内最大、国内でも2番目に大
きい地下商店街で、東京駅に直結している。画像中央の扉が八重洲
乗客降り口からの出口。扉には小さく「首都高速降車場出口専用」
のプレートが貼付されているのみで、案内などは一切なされていな
い。そもそも地下街の地理に詳しい者でない限り、ここへの到達は
非常に困難。なお南行きの出口は「八重洲俱楽部」内のため多少は
見つけやすいが、当然ここからの首都高速への流入も禁止である。
※矢印を画像にかざすと、扉から見た風景の画像へ。
■八重洲乗客降り口から八重洲入口、八重洲線本線を望む

八重洲乗客降り口で同乗者を降車させた車は、直進した先、左側よ
り八重洲入口から流入してきた車と合流。さらにその先で八重洲線
本線と合流する。八重洲線北行きには以前に、八重洲入口の500
メートル先に「常盤橋出入口」が存在したが、こちらもまた駐車場
直結の出入口であった。2016年3月、常盤橋出入口直結の日本
パーキングセンター駐車場が、常盤橋地区再開発に伴う近隣企業関
係者の専用駐車場となり、一般駐車場としての営業を終了したため
常盤橋出入口も閉鎖された。そのため公道に出られない出入口は現
在、八重洲が唯一のものとなる。